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日本の労働者の生産性は低いのか?

In Uncategorized on 8月 28, 2011 by nows22

日本の労働者は、OECD諸国に比べ労働生産性が低いという研究結果がありました。日本人の労働生産性が低いという指摘に対して思い当たることを挙げてみます:

①   日本の企業では、中高年以上の男性が労働力の基盤となっているために、才能や能力のある若者と女性の力を引き出せていない

②   サービス業に関ついては、物流は郵便局、銀行は金融庁の加護のもとに、加えて第三セクターなどの国や地方公共団体の規制や保護のもとに手厚く守られた産業が非常に多く、お役所仕事なので生産性が低い。民間企業の活躍が望まれる。

③   非正規社員の労働力が増え、自分の判断で仕事をする人材の割合が減ってきた。

④   若い優秀な人材は彼ら本人が望む大企業に吸収されてしまう。新しい起業や新しい分野で活躍するようなリスクは、彼らに嫌われる。つまり新しい才能は大企業の古い仕事のやり方を身に着けていくだけであることが多い。

⑤   デフレーションが進んでいるため、安い商品、つまり消費者が付加価値の低い商品を購入する傾向が強くなり、生産性の高い労働力を使う必要が減ってきている。

⑥   残業と日本独特の夜の付き合いが慢性的になっており、翌日の頭の切り替えが上手くできない。疲れも翌日に残してしまう。そのため生産性も下がる。

⑦   これも日本独特の慣習であるが、仕事以外の付き合い、つまり家庭、地域、子供がいれば学校、社会活動・啓蒙活動や趣味の仲間、インターネットによる対話などによる別の世界の考え方やアイディアを取り入れる時間が無い。そのために自己の総合的な人間形成、独創的な発想、幅広い情報に欠ける。それらが生産性にも反映してくる。

⑧   ひとつの企業に長く務める期間が長すぎるため会社や自己の都合により転職をせねばならない場合には、元の企業だけに通用する能力や技能などが転職の可能性を狭める。1990年以降に転職を余儀なくされた中高年の労働者に多い。他の企業に移ると当然その生産性は落ちる。

⑨  上記の様に新卒から勤め上げてきた企業から去らなくてもよい場合は、日本国の人材を手厚く保護する労働法に守られながらその企業で既得権益を楽しむ。リスクが非常に高い新しい戦略・難しいプロジェクトや役割を避けながら高止まりの給与を楽しむ。当然彼らの生産性は下がってくる。

⑩   日本企業は、一般労働者や専門職に雑用や担当以外の仕事を請け負わせることが多くある。電話取りや大量のコピーに加え掃除などもある。お偉いさんを車で迎えに行かせるなどもある。他の先進国ではこれらは極めて少なく、担当者外出や不在時の代行程度である。チームワーク育成の一環とはいえ、やはり得意な仕事や慣れた業務以外を従業員にさせると生産性は低くなる。

⑪   日本の企業では、あらかじめ根回ししたことを公表する様な建前の会議が多い。部下からの報告を叱責するための会議に多人数が集まる必要もない。つまり無駄な会議が多い。他の先進国で会議とは積極的に意見を交わし良い考えや決断を引き出すためにあると思われているのとはかけ離れている。

⑫   情報の交換だけの会議も不要であるが、それはITによる内部情報体制が上手くできていないか、そういう発想自体を持たない経営者も多いためである。ITを使うということは、日本人の好きな資料の見栄えをよくする、紙による情報の保管より上手く整理できるなどを主眼としているわけではない。情報の共有や企業統治に加え、単純事務作業を人間の変わりにやってくれること(企業にとっては人件費の圧縮)がその重大な存在意義である。いまだに単純事務作業を人的にやっている会社も多いので(法的な規制が強いため、彼ら単純事務作業の労働者の人件費を減らせないこともある)、生産性の低いこの層の人材も頭数に入るために生産性が低くなる。

この研究結果について、日本独特の視点が欠けているとも考えます。それは、

①   日本の強みである精密さと繊細さを備えた商品は、米国や英国などの先進国のように5%から1%の不備を認めず完全を目指すため、何度も見直し何度もやり直すために残業が増えて且つ神経に疲れも増えて生産性も下がる。欧米人をはじめ多くの外国人が気を付けていても気づかないことですら神経を尖らせる。その商品を見る目の厳しさは日本の消費者にも言えるため、供給側はなお神経を尖らせる。ゆえに長時間労働が増え、そのために時間をかけても生産性は低いとなる。しかし、製品やサービスの質は極めて高くなる。つまりここでは、長時間労働が生産性を下げ、品質が生産性を上げる両面が存在する。計算上の問題は無いが、事情が分かっていれば言及すべき部分である。

②  個人の力は小さくとも、一団となり働けばその力は足し算ではなく、+アルファの部分があり得る。それは諸外国にも言える部分である。日本の労働はチームワークと阿吽の呼吸で進められ一団となればその生産力は高いとされるし、私もそう思う。とすれば、個人個人を引き離した場合の労働生産性というものがあったとすれば、日本は各国の順位の中でさらに低い可能性がある。

③   和英折衷の言葉であるが、サービス残業がある。英語では同義の言葉が存在しない。そのわけは、先進国では一般的にこういうことをすると会社の経営者が罰せられるし、黙っている労働者や組合は居ないからである。さて、このサービス残業というものは、この研究結果では検討されていないはずである。ゆえに事実上は、労働時間である分母が上がる訳なので、日本人の労働生産性は実際にはもっと低いのかもしれない。

以上、思いついたことを列記してみました。今後の日本の労働者の在り方について考えるきっかけになった研究結果でした。

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